解体工事の見積りを正確に知るためには?

見積書画像

正規の解体工事事業とは、解体工事を行う者として国や県から許可を取得済みの建設業者のことです。あるいは、解体工事を行う者として県に登録済みの解体工事業者も含みます。

解体工事の発注方法は、おおむね3パターンあり、費用対効果の良さで見ると次の順番になります。

1位:施主様から、解体工事業者へ直接依頼する方法。
2位:施主様から、不動産会社・ハウスメーカー・工務店などを通して依頼する方法。
3位:施主様から、紹介業者を通して間接的に解体業者へ依頼する方法。

価格のメリット

中間業者が入らないので、当然ですが中間マージンは発生しません。解体工事での近隣対応や、仕上げとなる整地など解体工事全般の質を落とさずに、コストを削減できます。価格面のメリットは、とても良い点だと思います。

臨機応変な対応ができるメリット

解体工事前の段階では、お客様と解体業者で図面などを見ながら直接の打ち合わせを行います。また、解体工事の途中でも、お客様のご不明点や変更希望などを、施工管理者(現場監督)に直接伝えることができるので、素早くスムーズに臨機応変な対応が可能になります。

近隣対応のメリット

まずはお客様のご意見をお聞きしてから、近隣の方々への挨拶を行います。ありきたりの挨拶にならず、近隣住民の方々に生活環境や健康状態に寄り添った、きめの細かな近隣住民さまへ配慮しながら解体工事を進めることが可能です。

高品質な仕上がりのメリット

樹木の伐採や整地、雑草対策などの小さな工事は、解体工事作業期間中にご依頼いただければ、本体工事と併せて施工いたしますので、最終的な仕上がり品質が向上したり、その後の維持費が抑えられます。

先ほどお伝えした、不動産会社・ハウスメーカー・工務店などの事業者へ依頼する場合と、紹介業者に依頼する場合のメリット・デメリットをいろいろな角度から見比べてみましょう。

不動産会社・ハウスメーカー・工務店などの事業者に発注するメリット

もともとエンドユーザー様との距離感が近いこともあり、セットで解体工事の案内もしていただけると思います。 私たち解体工事業者の視点から言わせていただきますと、不動産会社様やハウスメーカー様は、リピートしてくださるお客様でございます。可能な限り良心的な解体工事の見積りを出させていただき、エンドユーザー様のご負担が少なくなるように努めておりますが、やはり構造的に中間業者様が入る形になってしまいます。
メリットとしては、土地活用や家の建て替えなどの最終的な出口まで、トータルでサービスを受けられる利点は大きいと言えます。

注文相手中間マージン品質満足感コスパ
当社へ直接発注0円施工管理者と直接のコミニケーションになるので
臨機応変な対応が可能になる。
ハウスメーカーや
不動産会社を通す
0%~10%
くらい
土地活用や家の建て替えなどの最終的な出口まで、
トータルでサービスを受けられる利点は大きい
紹介業者
一括見積サイト
11%~20%
見積り金額の安さだけが勝負になるので、
追加工事で本来の利益を得る方法になる。
見積り比較グラフ

紹介業者(一括見積サイト)に依頼するデメリット

ネットでは、非正規事業者が参入し、複数の見積もりを一括で入手できるマッチングサイト(紹介業)として事業展開しているのをよく見かけます。
紹介を受けた解体業者は、受注額の11~15%や、年間の登録料100万円以上をマッチングサイトに支払わなければなりません。そのため、紹介料分を直接お客様へ請求するようなことはしませんが、解体工事の品質を落としたり、追加工事を割高にするなど、見えにくい何らかの形で転嫁が行われることが一般的です。
その結果、不動産会社やハウスメーカーよりも高い金額を請求せざるを得なくなるのが実情です。

やはり普通に考えて、国や県から許可を得ている解体工事業者に直接ご依頼いただくことが、解体工事の見積りも、費用も抑え、安全な解体工事につながります。

解体工事の見積りでは、手軽で簡単な方法として、坪単価や一式価格の見積りを用いることがあります。
この坪単価の見積りについて、よく見てみましょう。

「木造で30坪なら、一式で100万円くらいですかね」とか、「坪3万円といったところでしょうか」といった、見積りを聞かれることもあると思います。

あるいは、RC造(鉄筋コンクリート造)のビルや家屋であれば、「RC造の解体費用は〇〇万円くらいが、中心価格帯でしたよ。」になります。

つまり、将来予定されている建造物の解体についてではなく、以前に行った解体費用のお話をさせて頂いていることが多いのです。

アバウトな解体工事費用の見積りでも、10万円くらいで納まるものなのか?とか、500万円以上かかることもあるものなのか?など、全く見当もつかないお客様にとっては、一式○○万円とか、坪単価〇万円という、ぼんやりとした見積もりであっても、概算は掴めるので、全く無駄な見積もりとは言い切れませんね。

しかし、実際には詳細な内訳まで考えた末での回答ではないのです。

解体工事業界としての、坪単価などの価格指標はありませんので、それぞれの解体工事業者が、これまで施工してきた解体工事の実例から、「木造の解体費用は〇〇万円くらいが、中心価格帯でしたよ。」という過去の価格を言っている。と受け止めて頂いても間違いではないです。

これが、鉄骨造の解体工事であれば「鉄骨造の解体費用は〇〇万円くらいが、中心価格帯でしたよ。」になります。

解体工事の坪単価の動きは、次のようなイメージになります。

解体工事費用坪単価グラフ

同じ面積であっても
低い建物 → 坪単価はだんだん高くなる →高い建物

同じ高さであっても
広い建物 → 坪単価はだんだん高くなる →狭い建物

解体工事の坪単価の見積りは、どれくらいの誤差が出るのか?

先ほどお伝えした坪単価の動きを、実際の木造家屋の坪単価に例えると、次のような誤差になりることもあります。

平屋建ての木造家屋で、80坪を解体する場合の坪単価は30,000円

3階建ての木造家屋で、20坪を解体する場合の坪単価が50,000円

同じ木造家屋の解体費用であっても、条件次第では、1.5~2倍の誤差が出ることがあるのです。

解体工事の見積りの、内訳項目は沢山あります。

建物の高さや広さだけではなく、他にもさまざまな内訳がありまして、それぞれの条件によって見積額は増減するのです。それでは、それぞれの条件について、一つ一つ見ていきましょう。

見積り増減グラフ

建物の種類

木造、軽量鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)など、建物の種類が変われば使用機械や作業人数も変わるので、結果として見積金額に違いが出てしまいます。

木造に比べて軽量鉄骨のほうが費用は増え、さらにRC造の建物となると、人力または重機によるコンクリート破砕工程が多くなるので、解体工事の見積りとしては高額ランクになります。

機械の使用が困難な解体工事

密集地などで近接家屋への悪影響を避けるために手作業(手壊し)で解体する場合や、道路幅や高低差などでダンプを横付けできない場合は廃材を人力運搬(こうんぱんと呼ばれています)することになります。

機械の使用が困難な解体工事では、手壊し作業や人力運搬作業の割増しを反映した解体工事の見積りになります。

建物が既に危険な状態になっている解体工事

極端に老朽化している建物は、わずかな衝撃で建物が崩壊してしまったケースがたくさんあります。そのため既に危険な状態になっている建物の解体工事を行う際には、通常の解体工事よりも安全対策費を上乗せすることがあります。具体的には、上記のような手壊し作業が増えたり、建物崩壊を予防するために補強を行うための割増しを反映した解体工事の見積りになります。

アスベストなど特定の有害物質を含む解体工事

アスベストなど特定の有害物質を使用している建造物が解体工事の対象となる場合は、有資格者による事前調査や報告から始まり、有資格者による解体撤去作業、ルールに合わせた処理方法や運搬方法など、環境に配慮するルールでの処分方法が必要になります。

有害物質に気が付いていない、または無視する解体工事の見積りと、有害物質の危険性を認識した解体工事の見積りとを比較すれば、当然、前者の方が低い見積りになります。

地域のルールなど合わせた解体工事

公道にダンプを配置したり、公道の一部に出ながらの解体作業をしなければならないような現場では、道路使用や占有の許可申請などや、ガードマンの配備などを反映した解体工事の見積りになります。

商業施設などの解体工事

商業施設ビル(テナント)での、スケルトンや内装解体工事を行う場合は、営業中のお店に迷惑がかからないように、閉店後の夜間解体工事になったり、昼間であってもなるべく機械を使わない解体工事を行うため、割増し分が反映された解体工事の見積りとしてはになります。

地中から異物が発見された場合

家の基礎を解体した次は、地中のガス管・水道管・排水管を撤去することになるのですが、その段階で事前調査では見つけられなかったガラなどの異物が発見されることがあります。こういった異物は一般的に地中埋設物と呼ばれています。当社では勝手に地中埋設物を解体撤去せずに、お客様と相談してから決めています。地中埋設物を撤去する場合は追加見積りが必要になります。

解体工事の費用内訳はこの他にもまだまだありますが、一つ一つの解体工事の内訳を反映させて初めて正確な見積もりが得られることとなります。

横浜市の解体工事で、多く見られる条件は、
・自動車が1台くらい停められる。
・お隣さんまで60cm~90cm。
この条件のお宅を基準として、それに対して、費用が上がる。ということをお伝えしてまいりました。同じ条件でも、解体工事の見積りが安くなることもあるので、その要因について見ていきたいと思います。

立地や周辺環境による要因

広い敷地

ダンプやユンボが効率良く配置できるだけの敷地でしたら、解体工事の作業効率も上がり、解体工事が安く抑えられる可能性があります。

周辺に民家が無い場合

ポツンと一軒家のような山奥でないにしても、周辺住民様までの距離が比較的離れていて、騒音や粉塵などの影響が出にくい場合は、解体工事は安くなる傾向にあります。

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